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島原めぐり その3 島原城

島原城は、『美しい』の一言でした。
http://shimabarajou.com/
雲仙連峰を背景に、穏やかな青い有明海を面前に広げ、対岸に熊本の風景が映って天守閣の最上階から周囲を望めば、その眺めは素晴らしいものでした。
また、城の周囲の堀や石垣の堅牢さに、なかなか防御力が高そうに見えたし、昭和に再建された天守閣周辺を見ると、居丈だけで、何か攻撃的な感じがして、美しさの反面に厳つさを感じました。

と、いうのも予備知識が邪魔しているのかな~と思いつつ、天守閣内の展示物を眺めていました。
ま~、色々展示しているが、拷問やら何やら、見てて忍びないです。
人間が人間をここまで残虐に嬲り殺すことができるのかな~、でも、中世ヨーロッパでも、魔女狩りなどもあったか・・・
と変に納得した展示物の数々でした。

さて、島原城。
島原半島は、元々キリシタン大名の有馬氏の治所で、南蛮貿易で栄え、カトリックの繁栄した場所であり、有馬氏が抜けた後、運命が激変していく悲しいところです。

奈良から、松倉重政が入部し、その子の勝家とともに、とんでもない圧政で住民を搾り上げた、悲惨な国となってしまった。

物成りの悪い島原は4万石程度なのに、検地の結果、幕府に10万石と届け、年貢以上に搾り上げ、分不相応の規模の築城のため、廃城の原城と日野江城から石垣を運ばせ、先の城を建築させた輩で、江戸城の普請に住民に役負させ、絞るだけ絞り、江戸幕府のキリシタン禁令(松倉は当初、貿易のため容認)に怯え、子の勝家の代にかけて、拷問・虐殺をするわけです。
あらゆる拷問や虐殺を繰り返し、キリシタンがいなくなった(棄教も含む)島原には、『異常な搾取』だけが続くことになったわけです。

絞るだけ絞られ(あらゆるものに課税し労働を賦役)、それでも「米」を出せと・・・
住民は食うものが無いのに・・・人が人と思わなくなると、ロクな生き物にならない例がここにあったようです。
拷問の考案も、島原ではたくさんされていたようです。

島原の乱が勃発する前夜、住民は餓死しかない状態にあるのに、米を出せない(と恫喝する松倉の代官など)住民に対して、庄屋の息子の若い嫁(臨月)を蓑の籠に入れ込み、川に落とし、7日間そのままという「見せしめ」をするわけです。
5~6日目に、川の中で出産した母子は、7日目に溺れ死んだ・・・
餓死するしかない状態の住民たちに圧縮された可燃性のガスが充満しているのに、さらに追い込む(まだ、絞れるとおもったのか)と、火山の大爆発のように、支配者層への暴発につながるわけですよね。
蜂起した一部の住民が、島原城へ押し寄せるときには、合流する人が増加し続け、城を包囲したものの、先の島原城は堅牢で落ちなかった。
同時に、搾取・拷問・虐殺する側にいた人たち(代官や神主など)は逆に嬲り殺され、キリシタンでもない人たちも反乱に強制参加させられ、無茶苦茶な事態になるわけです。
『島原の乱』はキリシタンの反乱ではなく、住民の自殺(どのみち餓死が待っていた)行為だったのが本質であったようです。
たまたま、蜂起するに際し、棄教したキリシタンだった人たちが、再び、キリシタンで結集し、キリシタンでない人も無理やり参加させ(拒否したら反乱した人に殺されたらしい)られようです。
また、同時期に天草でも同様に絞られ、餓死寸前の住民たちが呼応し、島原の原城跡に結集し、約3万の老若男女が幕府軍と対決するわけです。
「自殺の否定」「反抗(支配者への反乱)の否定」が是とする、カトリックの教えから逸脱する蜂起は、キリシタンではなく、住民の最後の死を賭した意思表示だった悲しい歴史のまちが、島原にあるのですが、今は、それを感じない、観光の名所であり、「男はつらいよ」の舞台になり、美しい魅力ある街になっていました。

Commented by KON at 2018-03-03 11:59 x
島原かぁ…
半世紀ほど前にバイトした金握りしめて国鉄(現JR)に乗って九州旅行に行った。
その時に長崎から熊本まで船旅を楽しんだけれど、島原そのものの観光はしなかったなぁ
もっとも・・・ 当時はネットもない時代だったので本屋で立ち読みして集めた観光情報だけを頼りにしていたが。
長崎と熊本城の写真は残っているが島原辺りの写真は皆無・・・
デジカメがあったら島並みの写真だけでも残ってたやろになぁ
覚えているのは船旅中に出張中の会社員のおじさんにジュースおごって貰った事だけだ(^_^;)
今の時代はいいなぁ っとあらためて思ったね。

因みに長崎では天理教の事務所か何かで泊めてもらえるとの噂を頼りにして行ったが断られて駅の改札近くで寝袋で寝た事を覚えている。
夜中に変な人がいてちょい怖かった・・・(笑)
Commented by neo-blue-dragon at 2018-03-15 22:46
> KONさん
半世紀ほど前・・・その時は、今よりもっと綺麗やったんやないでしょうか。
しかも、バイトしたお金で本屋で情報集めて・・・
長崎での顛末も含めて、すべてがドキドキするでしょうが、今思えば、すごい貴重な旅の経験に思えますよ。
今は、便利になりすぎて、何か旅情がないような気がするのは、古臭いですかね~
そんなこんなで、しばらく、PCから離れていた私でした~
by neo-blue-dragon | 2018-02-04 00:10 | 散策 | Comments(2)

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